◆少年目録◆

個人的な、記録を主に「少年」が登場もしくは関わっている作品の感想。なので内容が、解ってしまうものも多々ありますので、お気をつけ下さい。

2008.04.24

月の船でゆく

月の船でゆく (光文社文庫)月の船でゆく (光文社文庫)
(2003/10/10)
長野 まゆみ

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長野まゆみ作品の中で、
1、2を競う位に好きな作品です。

なのですが、此処に更新するのが今になったのは、
好きだからこそ、言葉にし難かったのです。

長野作品好きな方で、この作品を敬遠されている方も、
結構いらっしゃる様で・・・
かくいう私も、初めて読んだ時には
登場している女性に嫌悪感を覚えておりました。

ですが、読み返す度に
作品に登場する人物に対しての愛着が
沸き、なんともいえない感慨に浸れる様になりました。

長野作品は、好きになると何度も何度も
読み返す傾向にあるのですが、
この作品が、一番読み返しているのではないかな。
と思います。

以降、ねたばれ。......more
2008.01.14

鳩の栖

鳩の栖(すみか) (集英社文庫)鳩の栖(すみか) (集英社文庫)
(2000/11)
長野 まゆみ

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至極の短編集です。
どの物語も、秀逸です。

特には、矢張り表題作の「鳩の栖」が良いです。
1人の美しく凛と強い少年を失った二人の少年は、
何を想い何を
二人で語るのか・・・
その後が気になって仕方ありません。

逆に主人公が転向する前の、
少年二人の関係性も
色々、想像してしまいます。

雨が降ると、あの水琴窟の
音を想像せずには居られません。

少年達の不安定さが堪らない作品ばかりでした。


「きみにも、叫びたくなることがあるの、」
「…あるよ。この頃はとくに。」
2007.07.12

天球儀文庫

天球儀文庫 天球儀文庫
長野 まゆみ (2005/11)
河出書房新社
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長野まゆみ作品の根底に流れる、
友情の定義を垣間見れる様な心持ちがします。

アビと宵里、2人の友情を
季節ごとの、不思議な出来事と絡めて綴っており、
とても親しみやすい一冊だと思います。

「すっかり忘れてしまって、
またいつかはじめて出逢えばいゝぢゃないか。
知らない同士のような顔をして。
そのほうが面白いだろう。」


「ぼくたちは遠く離れ、違う街に住むんだね。
それぞれに違う愉しみや経験を味わって過ごし、
違う生きかたをする。
それでも、いつかきっとどこかで逢うんだ。
はじめて逢った日のように。
……その考えかた好きだよ。すごく好きだ。」

ドロップ水塔が、個人的に1番好きです。
今までの話とは逆に、
宵里の隠していた弱さを、
アビの意外な強さを、
教えてくれ、この2人の時期がいかに
儚いのかという事を、感じます。
2007.07.07

雨更紗

雨更紗 雨更紗
長野 まゆみ (1999/10)
河出書房新社
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終始、雨に支配されている舞台。
少年の人格の不安定さが、
何処までが真実なのか。
曖昧なのが、何故か美しく儚く思えてしまうのが
この作品の魅力だと思います。

玲に、哉という人格が何故、
生まれてしまったかという事は
最後まで良く分からないままですし、
他にも色々と謎が残ったまま、
物語は終わってしまったのですが、
廣瀬や御幸のことを考えると、
まるで同じ家の中に、
2つの時代が重なりあって
同時に存在しているように思えてきます。

個人的に、御幸と哉は近しいものなのかな。
等と、色々と考えてしまいました。

雨の中で、揺れ動く玲と哉という2つの人格。
哉は、玲に幾度も出逢い、玲が死ぬ夢を見る。
「玲は死んでいるんですね、
仰って下さい。玲はいつ死んだんです。
ぼくはほんとうのことを知りたいんだ。」
違う人格であっても、考えているそのものも
言葉を繰り出すそのものも同一。
それ故に、哉が玲に対して話す事柄は
不愉快な湿気の様に、纏わりついてゆく
心持ちがします。
2007.07.06

学校ともだち

学校ともだち 学校ともだち
長野 まゆみ (1996/02)
河出書房新社
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学級日誌のカタチで綴られる物語は、
とても新鮮でした。
失われ行く世界に生まれた少年達が、
友達や先生、病気で入院している少年等に関わり
成長していく様子を
季節を追って感じる事が出来ます。

少年達の、繊細な姿の陰に
退廃してゆく世界が見えるのは
とても痛々しく感じます。

行動力があり真っ直ぐなトィ。
誰からも好かれ、しっかりしているノッブ。
運動は苦手だけれど、感受性が強いチロ。
責任感が強いが、周囲の状況を把握しきれないチハヤ。
乱暴だけれど、料理が上手く、素直なノンノン。
個性的で独特な少年達が
様々に関わりあう姿は、微笑ましいです。
終盤で芽生えた、チハヤとノンノンとの
友情が素敵です。