| 2007.07.12 |
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天球儀文庫 |
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![]() | 天球儀文庫 長野 まゆみ (2005/11) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
長野まゆみ作品の根底に流れる、
友情の定義を垣間見れる様な心持ちがします。
アビと宵里、2人の友情を
季節ごとの、不思議な出来事と絡めて綴っており、
とても親しみやすい一冊だと思います。
「すっかり忘れてしまって、
またいつかはじめて出逢えばいゝぢゃないか。
知らない同士のような顔をして。
そのほうが面白いだろう。」
「ぼくたちは遠く離れ、違う街に住むんだね。
それぞれに違う愉しみや経験を味わって過ごし、
違う生きかたをする。
それでも、いつかきっとどこかで逢うんだ。
はじめて逢った日のように。
……その考えかた好きだよ。すごく好きだ。」
ドロップ水塔が、個人的に1番好きです。
今までの話とは逆に、
宵里の隠していた弱さを、
アビの意外な強さを、
教えてくれ、この2人の時期がいかに
儚いのかという事を、感じます。
| 2007.07.07 |
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雨更紗 |
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![]() | 雨更紗 長野 まゆみ (1999/10) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
終始、雨に支配されている舞台。
少年の人格の不安定さが、
何処までが真実なのか。
曖昧なのが、何故か美しく儚く思えてしまうのが
この作品の魅力だと思います。
玲に、哉という人格が何故、
生まれてしまったかという事は
最後まで良く分からないままですし、
他にも色々と謎が残ったまま、
物語は終わってしまったのですが、
廣瀬や御幸のことを考えると、
まるで同じ家の中に、
2つの時代が重なりあって
同時に存在しているように思えてきます。
個人的に、御幸と哉は近しいものなのかな。
等と、色々と考えてしまいました。
雨の中で、揺れ動く玲と哉という2つの人格。
哉は、玲に幾度も出逢い、玲が死ぬ夢を見る。
「玲は死んでいるんですね、
仰って下さい。玲はいつ死んだんです。
ぼくはほんとうのことを知りたいんだ。」
違う人格であっても、考えているそのものも
言葉を繰り出すそのものも同一。
それ故に、哉が玲に対して話す事柄は
不愉快な湿気の様に、纏わりついてゆく
心持ちがします。
| 2007.07.06 |
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PURE ピュア |
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アマゾンに商品が無いので、
オンラインレンタルで取り扱っているお店の
リンクです。↓
http://www.dmm.com/rental/ppr/-/detail/=/cid=n_673tmsd116r
薬物中毒の母を持つ
10歳の少年ポールの孤独と
母への無償の愛を貫く
痛々しいまでに切ない作品。
冒頭で、
病気の母親の為に、注射器を火で炙って消毒、
薬を用意して、寝室に母を起こしに行くポール。
「薬を触らないで」と言われたポールは、
「いつも見てるから・・やり方分かるよ」と言う。
ポールは母親のメルが薬物中毒だと知らない。
そして、自分の誕生日を忘れていた母親に傷つくポール。
このシーンだけで、
胸がいっぱいになりました。
純粋に母を愛するポール。
でも、ポールはたったの10歳の少年。
彼に出来る事は、
母を愛し、以前の様に愛されたいと
ただ傍に居る事だけ。
愕然とする現実を突きつけられても、
何度裏切られても、健気に、無条件に母を慕う。
何処までもポールが
純粋に優しく正しい。
個人的に、
主演の少年
ハリー・イーデンが好きで見たのですが、
本当に観てよかった。
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薬物中毒の母を持つ
10歳の少年ポールの孤独と
母への無償の愛を貫く
痛々しいまでに切ない作品。
冒頭で、
病気の母親の為に、注射器を火で炙って消毒、
薬を用意して、寝室に母を起こしに行くポール。
「薬を触らないで」と言われたポールは、
「いつも見てるから・・やり方分かるよ」と言う。
ポールは母親のメルが薬物中毒だと知らない。
そして、自分の誕生日を忘れていた母親に傷つくポール。
このシーンだけで、
胸がいっぱいになりました。
純粋に母を愛するポール。
でも、ポールはたったの10歳の少年。
彼に出来る事は、
母を愛し、以前の様に愛されたいと
ただ傍に居る事だけ。
愕然とする現実を突きつけられても、
何度裏切られても、健気に、無条件に母を慕う。
何処までもポールが
純粋に優しく正しい。
個人的に、
主演の少年
ハリー・イーデンが好きで見たのですが、
本当に観てよかった。
| 2007.07.06 |
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学校ともだち |
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![]() | 学校ともだち 長野 まゆみ (1996/02) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
学級日誌のカタチで綴られる物語は、
とても新鮮でした。
失われ行く世界に生まれた少年達が、
友達や先生、病気で入院している少年等に関わり
成長していく様子を
季節を追って感じる事が出来ます。
少年達の、繊細な姿の陰に
退廃してゆく世界が見えるのは
とても痛々しく感じます。
行動力があり真っ直ぐなトィ。
誰からも好かれ、しっかりしているノッブ。
運動は苦手だけれど、感受性が強いチロ。
責任感が強いが、周囲の状況を把握しきれないチハヤ。
乱暴だけれど、料理が上手く、素直なノンノン。
個性的で独特な少年達が
様々に関わりあう姿は、微笑ましいです。
終盤で芽生えた、チハヤとノンノンとの
友情が素敵です。
| 2007.07.05 |
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蝶の舌 |
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![]() | 蝶の舌 フェルナンド・フェルナン・ゴメス (2002/03/22) PIASM この商品の詳細を見る |
喘息の為、一年遅れて学校に入学したモンチョ少年が
グレゴリオ先生との交流の中で、
静かに成長していく物語。
序盤から中盤までは、静かにゆったりと
平和な時が流れていく。
1つ1つの場面が温かい。
終盤にかけて、
瞬間的に平和が壊れてゆく様は
なんとも形容し難い心持ちにされた。
モンチョ少年のラストの行動は、
何度観ても
痛々しく切なく感じます。
アテオ、アテオ……蝶の舌。
| 2007.07.05 |
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野ばら |
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![]() | 野ばら 長野 まゆみ (1989/07) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
長野まゆみ作品の世界観を、知るにはとても
良い作品であると思いますが、
長野まゆみ作品を初めて読む方には、
戸惑いを与えてしまいそうな位に、不思議な話。
野ばらの垣に囲まれている、月彦の家の庭と学校。
銀色と黒蜜糖という美しい二人の少年。
銀色は影をなくした。
黒蜜糖は、此処からの脱出を計る。
月彦は、夢と現を行き来し続け、
境界が解らなくなり、もがきつつも
見知らぬ生徒達に合わせる順応さを兼ね備えている
少年。
何処から何処までが夢なのか。
夢を見せているのは、月彦なのか。
それとも、科学教師なのか。
もしくは、野ばら自体なのか。
全てが夢なのか。
どんどんと深い夢の中へと
読者を引きずり込んでいく不思議な魅力のある物語。
野ばらの支配した舞台で、
月彦が出逢う
2人の少年、2匹の猫、1人の科学教師。
全てが野ばらの手の内なのか。
透明感がある様で、
全てが靄に包まれた危うい世界である様にも
感じられます。
読書感想文の課題図書にもなった、この本を
その年代の時に読んだ子達は、
どの様に感じたのだろうか。
感受性の強い時期にこそ、
この本を読んで手元に置いて欲しい。
そして、忘れた頃に、もう1度
読み返して欲しい、と思わせる様な作品でした。
| 2007.07.05 |
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天体議会 |
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![]() | 天体議会(プラネット・ブルー) 長野 まゆみ (1991/04) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
天体議会は、長野まゆみ作品を読み進めていく
きっかけとなった作品であるので、本当に
思い入れの強い作品です。
そして、今ある私の中の「少年像」は、
長野まゆみ作品に出逢わなければ、
おそらく無かったと思うのです。
故に、
銅貨の不器用で鈍感な所も、
水連の不意に表れる果てし無い脆さも、
藍生の憤りや、癒せない孤独も、
全てが静かに愛おしく感じてしまうのだと思います。
水連と銅貨の交流の中で、
特に前半に
息の合った場面が多く描かれていると感じます。
(2人の関係性を描く為であるが故であるのかも
しれないのですが)
走り出すタイミングや、
語尾を繰り返し、同じタイミングで笑い出したり、
2人にしか解らない日常を語る
姿は、快濶で何処までも清々しく友情を感じます。
時折見せる水連の銅貨への想いは、
露骨なものではなくとも、
最近の長野作品にある少年愛と
近い形を示しているものであると思いました。
「兄さん、」
「何だ。」
「べつに、ただ読んだだけ。」
藍生は腕を伸ばして銅貨の頭を叩いたが、
その顔は笑っていた。
ラストのラストまで、
藍生との距離の取り方が解らずに
孤独を感じていた銅貨が
報われる場面は、
蜜の様に甘く、この作品の好きな場面のひとつです。
水連との友情。
兄、藍生との確執。
様々な孤独な想いが錯綜して
少年達は、南へと想いを馳せていく。
| 2007.07.04 |
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三日月少年漂流記 |
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![]() | 三日月少年漂流記 長野 まゆみ (1998/10) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
「水連、彼らは何処へゆくのだろう。」
銅貨と水連の、交流が瑞々しく描かれていて
物語自体に活気を与えて、
とても読み易い作品だと思います。
天体議会で、お馴染みの2人ですが
別世界の2人という雰囲気に受取れます。
家族構成とか、世界観においても、
若干、隔たっているのかなと読み返して
思いました。
天体議会も好きですが、此方も
同じくらい好きです。
成長する事を静かに
拒否する少年達。
少年が少年で或るのは一瞬。
一瞬であるから美しい。
逃避行をする2人は、
まるで成長する事からのエスケープを
している風に感じました。
| 2007.07.04 |
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夜啼く鳥は夢をみた |
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![]() | 夜啼く鳥は夢を見た 長野 まゆみ (1990/05) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
「この沼には子供が沈んでいる。」
「沈みたいんだ。僕、この沼の中に沈みたいんだよ」
「誰も僕を此処から連れ出してくれないからだ。」
純粋で、物事を主観的にしか捉えられない病弱な頬白鳥。
勘が鋭く、常に冷静であろうとする紅於。
欠陥の見当たらない程に、美しすぎ、影を抱える草一。
子供が沈んでいる、と噂される沼を中心に
湿った気候の中で、繰り広げられる
少年たちの愛の物語。
沼の独特な描写が、読んでいる自分をも
引きずり込んで
ラストでは、沈んでいくのは私なのではという
錯覚にもにた作用を感じました。
ゆったりと流れている波の無い沼の様に
進んでいく物語なのに、
あのラストは激しすぎて忘れられない。
| 2007.07.01 |
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カンパネルラ |
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![]() | カンパネルラ 長野 まゆみ (1998/10) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
カンパネルラ。
「兄さん、あの署名・・・あれはどう云う意味。
自分の名前を記せばいいのに」
病弱な兄の隠れ処が、
水路の奥にある。
後姿しか、兄の鮮明な記憶を持たない弟。
不思議で惹き付けられる書き損じだと
思っていた絵。
雨の降る日に現れた、不思議な少年。
最初から最後まで、
惹き付けられ一気に読んでしまいたい作品。
なのに、一気に読んでしまうのは
惜しい様にも、思います。
木々の緑の力強さ、川の水の静けさと激しさ。
まるで映像を見せられているかの様に
感じる程に、想像が掻き立てられます。
読む度に、新たな発見がある
興味を失わせない魅力のある物語です。
| 2007.07.01 |
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夏至祭 |
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![]() | 夏至祭 長野 まゆみ (1998/11) 河出書房新社 この商品の詳細を見る |
夏に読みたい一冊。
とても綺麗な言葉が並んだ作品。
月彦が出逢う不思議な2人の美しい少年。
銀色と黒蜜糖。
夜、空家、一日だけの祭、時間の止った時計、
2人の美しい少年…出逢いと別れ。
月彦に、忘れられないひと夏の思い出を作る。
何か、大切なものを忘れてしまった時に
ふと読みたくなる作品です。








